世界と日本の食文化  | 銀座夏野のスタッフブログ

箸ブログ

世界と日本の食文化 

箸と日本人

2021.11.30

フォークで食べる?箸で食べる?

地球上に暮らす人類の食事の方法を大別すると、「手食」「ナイフ・フォーク・スプーン食」「箸食」に分けられます。


そのうち手食が4割、ナイフ・フォーク・スプーン色が3割、箸食が3割だそうです。地域でみていくと、おもに手食は東南アジア、中近東、アフリカ、ナイフ・フォーク・スプーン食は欧米、箸食は東南アジアとなっています。

もちろん、現代の社会においてこれらの食法が併用されている地域も数多くあります。
こうした食法の事情は主食とする食材の違い(米食、小麦食、根菜果実食)や食文化、宗教による食事のマナーの違いなどに起因します。

たとえば同じ米食文化でも、粘り気のあるジャポニカ米を食べる地域と、粘り気のないインディカ米を食べる地域とでは、やはり食法が違ってきます。

純粋な箸食は日本人だけ


日本人の箸食は、やはり世界的に見ても興味深い文化のひとつではないでしょうか。世界で約20億人いる箸食の人たちのなかで、日本人だけが純粋な箸食といわれています。

その昔、日本は中国からの文化的影響を多大に受けていましたが、その中国では箸と匙が併用されるのに対し、日本では箸のみで食されています。

これは日本独特の米食文化、木の文化が関係していますが、奈良・平安時代に碗が発達したことが、匙を使わない純粋な箸食文化を生み出したともいわれています。

片手に箸、片手に器を持って食事するのは、日本ならではのスタイルです。

日本は、食事用の箸だけでも木箸、塗箸、竹箸、割箸と種類が豊富にあり、取り箸や調理箸なども発展させてきました。これだけ多彩な箸食文化を築き上げた国は、ほかに類をみません。

高橋隆太(2014)おはしのおはなし(WAVE出版) p.42-p.43