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箸職人 竹田勝彦氏

お知らせ

2021.04.02

お箸の本当の魅力は実際に手に持ってみないとわからない。東京・向島にある大黒屋のお箸は、一度手にするとお箸に対する考え方が変わってしまうほどの魅力にみちている。

箸職人 竹田勝彦氏


創作江戸木箸「大黒屋」のご主人竹田勝彦氏が箸作りを始めたのは約十五年前。もとは箸職人ではなくお箸に関する商売をしていたのだが、お箸のことを理解するには自分たちで作らなくては、と思ったのがお箸作りのきっかけだという。


初めはサンプルを作って職人さんに頼んでみたが、丸かったり細かったり変則的な形ばかり頼んでいたため、なかなか思うように上がってこなかった。ならば自分の手で作ろう、と大黒屋を始めたのだ。

「もともとものを作るのは好きでね、実は祖父は大工で、父はげた職人なんです。代々、木でものを作ることをやってた。大黒屋っていうのも屋号なんです。」

大黒屋のお箸には様々な形がある。五角、八角、丸、四角、木彫り風、太いもの、細いもの。そして素材も、青黒檀、黒檀、紫檀、たがやなど様々だ。どれも持ちやすい上に、箸先が細くて惚れ惚れするほど美しい。

「うちはあくまで創作だから、考えながら面白くて使いやすいお箸を作っているんです。お箸を木を削るところから作っていかなきゃいけない。お箸はバランスが一番大切で、いかに滑らかに細くしていくかが命だから、全て手作りじゃないとできないんです。でもね、そうやって使いやすさを追求していったら、バランスの良い、美しいお箸になっていったんですよ。機能性がデザインになったわけです。」

とにかく使いやすさを、と主張するだけあって、いくつかのお箸を持ってみるとどれも持ち心地が違い、いくつか試すうちに今まで味わったことのないほど手に馴染むお箸が見つかるのでです。

「手の大きさだけじゃなくてね、手の肉の厚さや指の長さ何かが、全員違うんだから、みんな自分の手に合うお箸っていうのは違うんです。
 だから、家にあった箸を使って欲しい。だって、みんな靴を履いてみて自分に合った靴を買うでしょう?それと一緒よ、手に持ってみて自分に合うと思ったものを使ってほしいし、私たちはお客さんが気に入って、また使いたいと思うものを作らないといけない。」

そんな大黒屋さんの気持ちが伝わってか、最近は大黒屋さんのお箸に惚れ込む人が多くなり話題になっている。人気のお箸の種類は、普通の食事用は食食事場所はもちろん、納豆箸、豆腐箸、短いずんぐり箸など多岐にわたる。「求めている人がいるわけだから、喜んでもらえるお箸を作るということに職人は夢をかけて作っていくわけですよ。作り手が手間ひまかけて、魂を入れてものを作っているから、そういう商品は必ずお客様にも伝わるんです。」

大黒屋のお箸が、夏野の商品の中でも多少値が張っているにもかかわらず、常に売れ続けている理由はここにあるのだろう。職人がお箸に込めた思いは、確実に買う側にも伝わっているのだ。大切に使いたいお箸、そしてダメになってもまた欲しいと思えるお箸、大黒屋のお箸はまさにそんなお箸である。